「ブラック企業」という言葉に法的な定義は存在しない。一般的には、労働基準法をはじめとする労働関連法令に違反する形で長時間労働・残業代未払い・ハラスメントを常態化させ、従業員を消耗品のように扱う企業を指す。
2013年、厚生労働省が「若者の使い捨てが疑われる企業等」として社会問題化を公式に認め、同年から違反企業名の公表を始めた。これにより「ブラック企業」という概念は社会的に広く認知されるようになった。
近年は単なる「長時間労働・賃金未払い」を超えて、以下のような要素も「ブラック」と見なされるようになっている。
過労死ライン
月80時間超の残業
新卒3年以内の離職率
(全産業平均)
年間の労働相談件数
(総合労働相談コーナー)
「ブラック企業」を
知っている就活生の割合
月80時間を超える時間外労働が続く状態を「過労死ライン」と呼ぶ。この水準を超えると脳・心臓疾患のリスクが急上昇することが医学的に証明されており、2014年には過労死等防止対策推進法が成立した。
過労死には身体的死亡(脳梗塞・心筋梗塞)だけでなく、精神疾患を原因とする過労自殺(karoshi-suicide)も含まれる。厚生労働省の統計では、過労を原因とした精神障害の労災申請件数は年々増加傾向にある。
ブラック企業での就労は、以下の精神疾患リスクを大幅に高めることが臨床的に確認されている。
長時間労働・睡眠不足・慢性的なストレスの三重苦が、セロトニン・ノルアドレナリン等の神経伝達物質の不均衡を引き起こす。「会社に行くのが怖い」「布団から出られない」などの症状が出た場合は即座に受診すること。
特定の職場環境・上司・業務へのストレス反応として発症する。うつ病と異なり、ストレス源(ブラック企業)から離れることで比較的早期に改善するケースが多い。診断書を取得した上での休職・退職が有効な選択肢となる。
激しいパワハラ・暴言・恐怖体験が繰り返された場合、退職後もフラッシュバック・睡眠障害・回避行動が続くことがある。専門家によるトラウマ治療が必要な場合もある。